亀ノ尾発祥の地「熊谷神社」

亀ノ尾の里資料館

守護神、熊谷三郎兵衛高貞

亀ノ尾発祥の地である熊谷神社(くまがいじんじゃ)は、山形県庄内町立谷沢地区の中村という集落の中にあります。

熊谷神社(くまがいじんじゃ)は、江戸初期、慶安事変の際に由井正雪(ゆいしょうせつ)の高弟として、過酷な藩政に苦しむ人々を救おうとして活躍した、義民として名高い「熊谷三郎兵衛(くまがいさぶろべえ)」を守護神としています。また、水稲品種「亀ノ尾」の発祥の地であり、神社境内には亀ノ尾発祥の地の記念碑が建てられています。

<熊谷神社(くまがいじんじゃ)>

庄内町JR清川駅から県道45号線を南へ8キロほど入った立谷沢地区肝煎先の中村集落の中に位置し、同集落内にある立谷沢第二水力発電所脇から山間に1キロほど入った場所にあります。

水口(みなくち)稲との出会い

明治26年(1893年)9月29日、亀治はここ「熊谷神社(くまがいじんじゃ)」を参拝のため訪れます。

立谷沢村(現.庄内町)の父の友人の話に出た、月山の雪解け水の冷たさに耐えて秋に立派に穂を実らせる水口稲(惣兵衛早生)のことが気にかかって仕方がなかった亀治は、友人の頼吉、小出新田の人達と中村集落の熊谷神社に御参りに行きます。

この熊谷神社参拝の折、亀治は仏のお告げを聞き、示唆された場所へ足を運んだとも言われていますが、参拝の道すがら、神社付近の水田の水口(みずの取入口・ミナクチ)に植えられていた水口稲(惣兵衛早生)の中から、倒伏せず起立した3本の穂を目にします。その秀れた穂を水田の持ち主にお願いし、貰い受けて持ち帰ることにしました。(この稲は、遺伝学的には自然突然変異の可能性が強いと言われています。)

この時、一緒に行った人達、水田の持ち主も、この持ち帰った3本の穂が、後世まで影響を与える特別な品種につながるなどとは思いもしなかったことでしょう。


熊谷神社境内にある「水稲品種亀之尾発祥乃地」の石碑。


「水稲品種亀之尾由来」の碑文。